むし歯
Cavities
むし歯の原因を知り
早期治療と予防を!
大切な歯をいつまでも
健康に維持
むし歯はお口の中にいる「むし歯菌」が、食べかすに含まれる「糖質」を分解する際に酸を生成することで、歯が溶かされる細菌感染の病気です。
日本人で40代までの人は、むし歯が歯を失う原因の第1位とわかっています。
初期段階のむし歯は、ほとんど自覚症状がありません。
痛みやしみるなどの症状を感じたときには、むし歯がかなり進行した状態の可能性があるのです。
むし歯にかかると、感染した歯質を削り、修復物で補う治療を行います。ただし、再発を繰り返すと歯を削る量が増えて弱くもろくなるリスクがあります。
そのため、むし歯の原因を根本的に見直し、再発を防ぐ精度の高い治療を提供しています。
保険診療の修復物だけではなく、白くて自然な見た目をめざせる歯科用CAD/CAMシステム(セレック)による治療も取り入れていますのでお気軽にご相談ください。
(出典:厚生労働省e‐ヘルスネット_歯の喪失の原因)
なぜむし歯が
できるのか
むし歯は細菌感染症ですが、細菌がお口の中に存在するだけではむし歯にはなりません。食べかすがお口の中に残留すると、そこに含まれる「糖質」をむし歯菌はエサにします。糖を分解する際に酸を発生させることで、歯が溶かされる「脱灰」が起こります。普段は唾液が溶けだした歯のミネラル成分(リン酸・カルシウム)を補う「再石灰化」という働きにより簡単に歯は溶かされません。ただし、時間を決めずに食事を摂り続ける「だらだら食べ」を行うと、再石灰化が追いつかずに歯に穴が開いてしまうのです。
むし歯の原因について
むし歯の原因である「細菌」「糖質」「歯質」について解説します。
細菌について
むし歯の細菌である「ミュータンス菌」は、お口の中の常在菌の一つです。
大好物の糖質をエサに増殖し「酸」を生成することで、歯を溶かします。
糖質について
甘い食べものを摂取する量や回数が多いと、食べものに含まれる「糖質」をエサにして細菌の活動が活発になります。
歯質について
歯の質には、個人差や年齢差などがあり、生まれつき歯の質が弱い方がいらっしゃいます。
また、乳歯(子どもの歯)は、永久歯(大人の歯)よりも、表面のエナメル質が薄くむし歯のリスクがあります。さらに、生えたばかりの永久歯は、エナメル質がやわらかくむし歯になりやすい傾向にあるため、フッ素塗布などを定期的に行い歯の質を強く育てましょう。
むし歯の進行と治療法
初期むし歯(CO)
症状
初期段階は、歯の表面が白く濁ってツヤがない状態(ホワイトスポット)です。
自覚症状
痛みなどの自覚症状はありません。
治療法
フッ素配合の歯磨き粉を使ったり、歯科医院で定期的にフッ素塗布したりすることで、治癒することがあります。
むし歯(C1)
症状
エナメル質まで溶けた状態です。黄色や茶色っぽく歯が変色します。
自覚症状
痛みやしみを感じることはほとんどなく、歯科医師の目で見ないと発見できないことがほとんどです。
治療法
感染した歯質を削り、歯科用プラスチックなどの白い詰め物で補います。
象牙質まで進んだむし歯(C2)
症状
エナメル質を溶かしきり、象牙質まで進行した状態です。穴が開いて黒っぽく見えます。
自覚症状
冷たいものや甘いものがしみることがあります。
治療法
感染した歯質を削りCR(歯科用樹脂)で補いますが、大きいむし歯は型取りを行い、金属やセラミックなどの詰め物・被せ物で補います。
神経まで進んだむし歯(C3)
症状
神経(歯髄)やその付近までむし歯が進行した状態です。
自覚症状
神経の近くまで進行すると、温かい飲食物もしみるようになります。神経まで細菌感染していると、何もしていなくてもズキズキと痛みを生じます。
治療法
歯を残せる状態であれば、神経を取り除く「根管治療」を行います。
歯根だけ残ったむし歯(C4)
症状
歯の頭(歯冠部)が溶かされ、歯の根だけが残った状態です。
自覚症状
神経は死んでしまい、痛みは感じません。ただし、放置すると歯の根の先に膿がたまったり、顎の骨まで感染が広がったりして、歯の周りや全身にも悪影響を及ぼします。
治療法
根っこの治療をして消毒、残せる歯なら差し歯として利用します。最悪の場合抜歯はしますが、基本的には再利用します。抜歯の場合は入れ歯、ブリッジなどの義歯で補います。